2009-07-26から1日間の記事一覧

脱出

八月一四日 七時三七分 粕川家・一階・リビング彼は、顔をゆっくりと、舐めるように滑り落ちていく味噌汁の具材を感じていた。今しがたまで、彼自身が朝食として温めていたものである。その温度たるや、灼熱の地獄のようであった。何も、彼が好き好んでその…