ドロヘドロ
久方ぶりの漫画批評。偏り方は天下一品。
評価 ★★★★ (最大5つ)
話はとてつもなく暗い。何でこんなに暗いのって言うくらい暗い。そして不謹慎でもある。深刻な話の間にも、容赦なくギャグが入る。それでも、読めてしまうのだから、不思議である。最初は背景が飲み込めず、混乱してしまうだろう。しかし、一度慣れてしまえばどうってことない。どうってことないどころか、もはや取り返しのつかないところまでどっぷりつかっている。
話は、顔が何故か爬虫類になってしまった主人公カイマンが、自分の正体を探してゆくことを軸としている。魔法使いたち(手から出す煙が魔法という、独特の世界観。)が練習台として、一般人に勝手に魔法を掛ける。そのためだけの世界、ホールが物語序盤の舞台となる。口の中に居る男、時間を操る魔法、黒い粉など、おどろおどろしい謎の言葉が、次々と現れてくる。雰囲気はパンク音楽のテイスト。
気に入ったキャラクター、といっても読んでいない人にはさっぱり分からないが、は恵比寿。顔の皮をはがされたり、ゾンビになったり、真っ二つに切られたり、悲惨な人生を送っているが、狂っているのか、いつも笑っている。(それにも、また悲惨な理由があるのだが)こいつがどんなときも、空気を読まない。何かしら変なことをやっている。だけどそれがいい。うわ、俺は変態か。
いまひとつ残念なのは、最新刊。話のつながりが分かりづらく、駆け足感が否めない。次の巻ではいつもの軽快な調子が戻ってくれるといいのだけど…。
- 作者: 林田球
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2002/01/30
- メディア: コミック
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追伸。
FM群馬がやってる、ホラーナイトに当選しました。やったあ。
生の稲川順二大先生に会えるわけです。もう仕事なんか休んじゃうね。上司のいやみも、大丈夫だモンね。その日までは、生きていけると思いました。
あと、ドロヘドロについて雰囲気が分かるだろうサイトを張っておきます。見てください。そのほうが私の文より分かりやすいので。